金融業界にとってAIの活用が差別化要因に

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Photo by iStock

近年、AI(Artificial Intelligence, 人工知能)が金融機関の管理業務の位置づけを激変させ、金融サービスに新たな変革をもたらしている。一方で、AIの活用が進むにつれて、グーグルやアマゾンといったビッグテック(big tech)を含む一部のプレーヤーにより、金融ネットワークの構築や情報・データの集約が進んでいることから、セキュリティリスクが高まっていることも確かなようだ。

世界経済フォーラムとデロイトが共同で発行した「金融サービスの新展開~いかにしてAIが金融エコシステムを変革したか(The New Physics of Financial Services-How artificial intelligence is transforming the financial ecosystem)」には、AIを用いて競合他社との差別化を図る金融サービス提供の事例が掲載されている。例えば中国平安保険では、保険信用審査から保険金支払いまでを迅速に行うプラットフォーム「One Connect」を提供し、売上高拡大に大きく貢献しているという。金融機関の顧客もまた、AIを活用した自動・自立型の金融サービスを利用できるようになり、利便性が飛躍的に向上している模様である。

こうした中で、AIの活用が進むことによる課題も見えてきている。効果的な規制策を含む金融システムの構築や、クラウドベースのサービス提供においてビッグテックが優位であることから、企業の優勝劣敗がより鮮明化すること、そして、多くの顧客情報を集中管理することによるセキュリティリスクなどに対応していく必要があるという。